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VOL.1: Azzurro Interview Part.4 [ 4-1 4-2 4-3 TOP ] -Interview by Atsushi Katsura-

──実は白石さんはダイレクトに伝わりやすいんですよ、人に。印象とかが。
AZZURRO あ、そうかもね。それはちょっとドキッとするわ。

──だから、飲んだ席で後輩に「俺と白石どっち尊敬してる?」って聞いた時、後輩が即答で「白石さん」って答えるっていう……。

──(古川)そういうキャラクターが認知されやすいと。
──そう。人徳者で通ってる。でも、「実はね」っていう。
AZZURRO そんないいもんじゃないからな……。

──まあ、無茶苦茶な人でも人望やカリスマ性があったりして、それもひとつの人徳の形とすると、白石さんが人徳者と呼ばれても間違いはないのかもしれないけど……まぁ待てよ、と。
AZZURRO そうだねー。でも、それは自覚はしてるよ。

──まず、こんなずぼらな奴はいないっていう。
──(古川)あ、それは意外ですね。
AZZURRO いや、だから、そこに堕ちたくないっていうのがあるんだよね。

──えっ?
──(古川)えっ?
AZZURRO なんていうの、そういうところに一歩間違えば凄い堕ちる人間だっていうのを自覚してるから。

──あ、それはギャンブルしないっていう?
AZZURRO それもそう。のめり込むのは分かってるから。そうじゃなくするために、このテンションを保ってるっていうのはあるかな。

──例えばさ、2年間鍵がないとかさ、尋常な話じゃないわけですよ。
──(古川)え、それはなんの鍵?
AZZURRO 家の鍵。自宅の鍵を2年間開けっ放しだったんだよね。ガチャンってドア開けて、開けたままそのまま出てって。

──だから白石がいない時でも開くんですよ。だから一回やろうとしたのは、白石が部屋にいることを確認して、そーっと開けていくっていう。
AZZURRO ひとつ言っておきたいのは、自転車云々っていうのも、そもそも桂が隣のマンションから俺の部屋を覗いてたから分かった話なんだよね……。
──(古川)文字通り情報戦だな。

──でも、ギョッとする時とかあるわけですよ。白石さんの家でトイレ借りて、ユニットだからシャワールームがあるじゃないですか。それでパッと見たら、バスタブの中にターンテーブルとスピリッツが積んであるんですよ。ガスが壊れてたらしいんだけどね。白石さんに聞いたら、逆ギレ気味に「隣フロ屋じゃん!」っていう。
AZZURRO ハハハ、意味分かんないよね。銭湯好きだったけど。

──ただ、それも結構長い期間だったよ。
AZZURRO 鍵と大体同じ期間、2年ぐらいかな。

──「早く直せよ」って。あと、ずっと洗濯機が壊れてて、コインランドリーだったし。でも、後輩とかに白石の評判を聞くと、『オシャレ』っていうのが結構多くて。でも、銭湯行ってコインランドリーの奴のどこがオシャレなんだよって。
──(古川)ある意味オシャレかも。
AZZURRO その後輩はそこまで含んでないでしょう。

──同じ服でも似合う奴と似合わない奴がいるって話、これってさっき出てきた天然の話と一緒、マーリー・マール羨ましいっていうのと一緒で、金をかけてもダメな奴はダメなんですよ。オシャレには見えないんですよ。グッチのハットを被ろうが、古着とかでまとめてる奴がモテたりするわけで。ただ、白石さんに対する周りの共通認識として、「ウマイ」っていうのがあったんですよ。服を自分なりに着こなすのがウマイって。入学したての頃、ヒップホップのオシャレっていうのは、今ほどショップもなかったから、ある程度試行錯誤を繰り返さないといけない状況で、例えば、コーヘイがジャスコで買い物してたのも似たようなアイテムや用途は違うもの、本当はおじちゃんおぱちゃんが着てるナイロンのベストをブランド・ヌビアンっぽく着てみるっていう、そういうレヴェルだったんだけど。でも、白石は限りなく本物に近い。その頃にステューシーをね、まだチャプトとか一切なくて、先端のセレクト・ショップにしか置いてない頃に白石は余裕で着てるんですよ。アナーキック・アジャスメントとかもね。
AZZURRO そんなことねぇよ。

──ナイキとかの靴のセレクトも一味違うわけですよ。着こなし方がね、違うんですよ。みんなが憧れるのって、いっぱい服を買って持ってる奴よりも、センスのいい奴。男として格好良く見えるっていうかね。金では到達できないものを持ってるっていう。
AZZURRO いやいや、全然……高校生の時とか酷かったからね。だから“あがき”の時期は通過してるんだけど。

──いや、多分そのあがき方が違うんですよ。きっと、木村拓哉だって自分の格好悪い時代があったんだろうけど、その当時の基準で見たら、全然あがき方が上なんだよね。俺が言いたいのは、白石さんは自分で天然じゃないって言ってたけど、実は全然天然だよ。本人が意識してない部分で。
AZZURRO そうかなぁ。天然っていうより、闇が深いだけのような気がするんだけど。

──それはわかる。闇は深いですよ、間違いなく。
AZZURRO それは怖いね、自分でも。

──いや、どの人間にも闇はあるんだろうけど、要はそれをどこまで把握出来てるかっていう。白石さんはそれに気付く才能があったってこと。
AZZURRO どうなんだろうねぇ。

──(古川)井戸の底を覗き込んだことがあるかないかっていう。
──比較的周りの人間が面白いのは、そういう井戸を覗き込もうとしている人間が多いからかな。自分の闇をね。
AZZURRO だから(桐田)茂とかと話が合うんだよね。

──茂もかなり深い闇を抱えてますからね。コンプレックスという言葉では片づけられないようなヤツを。
AZZURRO それはあるな。

──(古川)アル中になる危険性はないの。
AZZURRO アル中はないかな。アルコールにそういうところは求めてないっていうか。自宅じゃほとんど飲まないし。ただね……家で起きてまずコンピュータ立ち上げて、スネアのひとつ、ハットのひとつでも何かやんないと表を歩けないっていう。

──(古川)なに?
AZZURRO 何かしらクリエイティヴなところでちょっと進んでるという部分がないと怖いという、そういう強迫観念みたいなのがあるんだよね。自分の闇はやっぱり嫌で、だから必死に取り繕ってるというか。

──最終的には自己愛に通じるんだけど、処世術として、自分を演出してる部分はない?
AZZURRO いやー、そもそも処世術っていう概念自体が欠落してるような気がするんだけど。どうだろう?

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