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VOL.1: Azzurro Interview Part.1 [ 1-1 1-2 1-3 TOP ] -Interview by Kou Furukawa-

──概念やイズムではなく、より具体的なところで、「これはヒップホップ的、これは非ヒップホップ的」と選り分けるものが白石さんの中にあったりするんですか?
AZZURRO うーん……難しいね。それは磯部(涼/ライター)がよくいう「関係性」みたいなものを背後に見てしまっているのかもしれないな、表層的な音楽の形というよりは。たとえばPrefuse73ってさ、音だけ聴けばエレクトロニカみたいだけど、botanica del jibaroとかやってたり、Mos Defとやってたりしてさ。こないだインタビューしたんだけど、話すとめちゃくちゃヒップホップの人だったりして、全然スノッブじゃない。「サンプリングするなっていうけど、みんなが生楽器使ってスタジオ入るほど金持ってないし、MPCを一所懸命バイトして買った奴を俺は知ってる」みたいな話をしてて、それを聞くと、そういう部分にヒップホップを感じてしまったりするな。

──「背後に見える」、というのはつまり、文字的な情報ということですか?
AZZURRO それも含めて、ということだね。

──では逆の場合、つまり文字的な情報で「これはヒップホップです」と言われてるものでも、ヒップホップを感じないものも……当然あると思うんですが?
AZZURRO それはいまのアンダーグラウンドでいうと、Anticonとか、それこそPrefuse73とかが踏み絵的に語られたりするよね? 原(雅明/ライター)さんも言ってたけど、やっぱほら、白いビートというかさ。「黒くない」という言い方するじゃん? で、それを好きか嫌いか……というかもう、好きか嫌いかのレベルでしか言えないよね、いまの状況では。Arrested Developmentの時代には、「これはヒップホップじゃねぇよ」って言える自分がいたんだけど、ヒップホップがここまで多様化したいま、好き嫌いなら言えるけど、ヒップホップかどうかとかは言えない感じはある。

──ヒップホップという概念をみんなが共有しているんじゃなくて、各々の価値観の中に分解されてしまってる、と?
AZZURRO うん。少なくとも俺の中でそうなってきたから、編集部(『blast』)を辞めたっていうのもあるし。ヒップホップすべてに対して責任が持てないでしょ。

──まぁ、持てる人なんていないでしょうけどね。
AZZURRO そう、そういうところを突き詰めちゃうと、やってらんなくなるよね。だから最近は、そいつがヒップホップだ思ってるならいいんじゃない、そこまで(ヒップホップに対して)責任は持てないし、という感じ。

──そう思うようになった時期と、白石さんの創作ペースが上がってきた時期って、ひょっとしたらリンクしてたりしませんか?
AZZURRO あ、そうかもね。どこかでこのままじゃダメだ、と思うようになったし。あと、俺は恵まれてたからさ。上にライムスターがいて、ライヴできる場所があって。執筆に関しても士郎さん(宇多丸/ライムスター)がいて、平沢さん(『blast』編集長)も士郎さんに紹介してもらったし。そういうのに恵まれすぎてたから、結構何も考えないで流れに乗ってやってたんだけど、メローがあまり動かなくなったときに考えたんだよね。

──それはどのくらいの時期ですか?
AZZURRO 『blast』入って2〜3年じゃないかな? あのね、1年間何も作品を出さないで『B-Boy Park』に出たことがあって、そのときが決定的。こんなことやってちゃいかん!っていう。あれは俺の預かりしらないところで進んでた話だったんだけど、俺はもう恥ずかしくて仕方がなかった。それが決定的だったかな。ステージの上で、早く逃げたくて仕方がなかった。それで、それ以降くらいから、好きなイヴェント行って、コミュニケーションを能動的に取って、というふうに変わっていったと思う。

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