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VOL.1: Azzurro Interview Part.1 [ 1-1 1-2 1-3 TOP ] -Interview by Kou Furukawa-

──「Il Mare Azzurro」の反応にはどんなものが多いですか?
AZZURRO 「白石(AZZURRO)さんっぽいですね」というのが一番多いかな。あとはインナーサイエンスに「2枚使いしたくなります」って言われて、それはちょっと嬉しかった。あとは純粋な、俺ひとりだけでつくったインストを聴きたい、というのも多かった。実際、そういうものをやるって構想もあるんだけど。

──そもそも、完全にひとりだけでつくったインスト・アルバムという方向は白石さんの中ではなかったんですか?
AZZURRO なかったね。んー、それはなんだろうね? 完全に閉じちゃって、「これが俺のビートです」みたいなことだけをやることはそんなに興味がなかった、というか。箱庭的な世界への欲求はミックス・テープで昇華できてるし、どこかで繋がっていたいというのがあるからさ。で、そういうのが俺の考えるヒップホップだったりする……たとえば古川君とさ、イベント行って「これいいねぇ」とかさ、瘋癲の連中とレコード聴いて「これヤバくない?」っていうのも、俺にとってはヒップホップだったりするから。そして今回は、ヒップホップということを打ち出したかったし。

──逆にいうなら、白石さんがひとりでつくった曲ばかりでアルバムをつくったとすると、それはヒップホップ的ではなくなる?
AZZURRO いや、俺の中で違和感があるということだね。俺は結構、ヒップホップのシーンと呼ばれる場所にドップリといた人だから。そういう過去をまったく否定して、違うものになろうとはしてないってことかな。

──自分の遍歴を提示して見せると。
AZZURRO そう。F.G.(ファンキー・グラマー・ユニット)にいてメロー(メロー・イエロー)にいて、ということがあっての上澄みがこのアルバムだから。

──でも、F.G.的なものはこのアルバムには希薄ですよね。
AZZURRO そうだね。結局、俺自身が古川君のいう“F.G.的”な音楽性ではないということなんだろうね。でも、わかりやすくはないけれど、収録曲にはメロー時代のループも少なくないし、俺の中ではまったく断絶してない。あと、G.M.カズさんがミックスしてくれたってのも俺的には大きかったんだよね。それにコーヘイ(a.k.a.コーヘイ・ジャパン)とは、そろそろ一曲作ってもいいかな、とも思ってるよ。今回のパッケージングでそうならなかったというだけで、今後深いところでコミュニケーションが取れるのであれば、誰かとやるかもしれないし。

──じゃあ仮に将来AZZURROだけでアルバムをつくったとして、それはAZZURROの中ではヒップホップになっている?
AZZURRO ああ……でも、それはわかんない。それを出すときがきたら、それはそう呼ばれなくてもいいのかもしれないし。ただね、Bluenoteの仕事したときにさ(“Montara(Azzurro Edit feat. Hashim B)”)、俺の中では全然ヒップホップなんだけど、「ヒップホップ以外のフィルターを通して云々」みたいなことを結構言われて、え? と思ったことがあったから。瘋癲のリミックスとかも(“Fu-Ten(Azzurro Remix)”)。

──ボサ・ノヴァを使ったやつですね。
AZZURRO そう。瘋癲のまわりのジャズDJとかハウスDJに評判がよかったらしいんだけど、俺の中では超ヒップホップのつもりでつくってたからさ。

──まぁけど、そういう反応もわからいでもないですけど。
AZZURRO うん。それはそれでいいんだけど……ヒップホップを否定することで自分のキャラづけをしてる、という気持ちはサラサラないのに、でもあまりにもそういう感じで受け止められてたような気がして。だからアルバムをつくる過程で、どこかでそれに反発したい意識はあったのかな。つまり、質問に答えると、今度俺のインストだけでパッケージして出すときには、今回ほどヒップホップという気負いはないかもしれない。なんとなくそういう予感はある。

──アルバムのゲストですけど、瘋癲やハシム君、キヨさんやデフ・テックスはわかるけど、シンガーのカオルさんとかDJオモロ、コパ・サルーヴォの小西エリさんとかはこれまであまり見えない繋がりでしたよね。
AZZURRO カオルは大学時代からの知り合いだけどね。メローのファースト(「Mellow Yellow Baby」)でも歌ってもらってるし。コパは、(DJ)シャークさんのA&Rをやってた小西さんがメンバーで、編集者とレコード会社の人という立場で知り合って。そのあと「私バンドやってんですよ」「俺も音つくってんですよ」という話になって、お互いのイベントに遊びに行ったりしてるうち、今度アルバムつくるんで参加して下さい、という話になった。

──結果的に、いわゆるヒップホップ畑ではない人たちも集まりましたけど、でもそういうパーソナルなネットワークでひとつの作品を織り上げていく作業が白石さんにとってのヒップホップ、ということなんですね?
AZZURRO うーん、そう……そうだね。そこはちょっと難しいところだけど、でもそこはそうとしか言えない。確かにカオルとか小西さんはヒップホップ畑の人ではないし、ハシムもちょっとズレるとは思うんだけど、そういう人たちとヒップホップどっぷりの俺がやるのがいいのかな、という気もするし。だから、うん、そこは言い切っちゃってもいいのかもね。


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